自分でできる、ぎっくり腰の診断と効果的な治療法

いわゆる「急性腰痛」

一言でぎっくり腰と言っても、全ての人が同じ症状ではありません。
突然発症した腰痛を総称して、ぎっくり腰と呼んでしまいますが、
本来は、その症状によって5つくらいのカテゴリーに分けられます。

1 筋・筋膜性腰痛
2 腰椎椎間関節症
3 椎間板ヘルニア
4 仙腸関節障害
5 腰椎分離・すべり症
6 その他

難治性の低い順に説明していきます。

1 筋・筋膜性腰痛

筋・筋膜性腰痛
痛みの部位
痛みの場所は背骨の両脇に出現 する事が多く、表面的な痛みから体幹の深部の痛みの事もあります。

原因
スポーツで捻ったりや日常で重い荷物を持ち上げた時、咳、くしゃみをした瞬間など、体幹に腹圧がかかった時に起こる事が多い。

日頃からの不良姿勢であったり、スポーツでの頻回な練習による長期間の筋肉疲労も誘因の一つと考えられる。

治療法
安静、痛めた直後は24~48時間は温めない方がいいでしょう。1時間おきに5~10分程冷却(アイシング)すべき。

セルフケアとして、ツボを自分で圧迫する。膝の裏側の真ん中にある委中というツボを自分でぐりぐりマッサージする、ゴルフボールを挟んで膝を曲げてもいい刺激効果があります。

通常軽いタイプであれば2~3日で痛みは取れますが、再度痛みが出ないようにケアした方がいいでしょう。

1-1紙コップでアイシング
アイシング
紙コップでアイシング
日常的に、写真のように紙コップに水を入れ、氷を作ってストックしておこう。

使用時は紙コップの上半分くらいを破いて持ち手にすると良いでしょう。5分くらい筋肉の走行に対して平行に動かし続けましょう。

2 腰椎椎間関節症

腰椎椎間関節症

痛みの部位
痛みの場所は背骨の中心のすぐ外側に出現する事が多く、片側だけに出現する事が多い。

また、急性の側弯症を伴う事がよく見られ、身体が大きく傾いてしまい一見痛そうに見えるが、痛みを回避するための体の防御反射からくるものです。

原因
このタイプは習慣化することが多く、立ち仕事、重労働、ドライバーの方々によくみられる。
日常の不良姿勢、生活習慣を起点として、一度経験すると次回からは軽微なアクションでまた発生しやすい。

治療法
安静に患部をコルセット等で固定したいところですが、側弯がある為、むしろ固定した方が痛みが強くなる事が多い。

安静、痛めた直後は24~48時間は温めない方がいいでしょう。1時間おきに5~10分程冷却(アイシング)すべき。

セルフケアとして 左右の大腰筋の緊張が強いので、自宅で立位のまま壁などにつかまりながら膝を水平よりも高く交互に上げる足踏みを20~30回行う。

骨盤内の血液循環を良くしてあげることがおすすめです。

3 椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア

痛みの部位
腰椎部分に痛みが出る事もあるが、むしろ殿部から太もも後ろ側に痛みしびれが強く出現する。

原因
日頃からの不良姿勢が原因であり、ここに至るまでには長期間経過しているので難治性である。
20~30代の若い世代の方が症状が強く出る。

治療法
安静に患部をコルセット等で固定。ヘルニアのタイプでさらに細かく分けられる痛みの強いときはとにかく安静しかありません。

患部に熱感があるわけではないので温めることが痛みの緩和になります。MRIでヘルニアが見られても痛みのない人もいますし、ヘルニア自体が自然吸収されるタイプの人もいます。

手術をしても痛みが変わらない方も多いため、今ある痛みが本当にそのヘルニアが原因なのか整合性を精査しないと後悔します。

3-1自分でできる椎間板ヘルニアの診断
SLRテスト
椎間板ヘルニア診断法
簡単な検査で見極めよう。
上図のSLRテストで膝を伸展したまま足を持ち上げると、腰、臀部、大腿部に疼痛、シビレが強く出現すると腰椎ヘルニアの兆候。左右差が顕著に出るので、よく観察しましょう。

次にどの部位でヘルニアが起きているのかを調べる。腰椎ヘルニアのほとんどが腰椎4-5番の間、もしくは腰椎5番―仙骨との間で起こる。

拇指背屈検査
写真左、拇指背屈検査、誰かに足の親指を上から押さえてもらい、それに逆らって親指を反らせる。この時、力が入らない、左右差が顕著に出れば腰椎4-5番の間のヘルニアの疑い。

かかとが上がらない

写真右、つま先立ちした時、やりづらい、かかとが上がらない時、腰椎5番―仙骨の間のヘルニアの疑い。

4 仙腸関節障害

仙腸関節障害
痛みの部位
仙腸関節(お尻の少し上で左右ともコリッとした骨の出っ張りがあるところ)の表裏に出現
原因
このタイプは習慣化することが多く、立ち仕事、重労働、ドライバーの方々によくみられる。日常の不良姿勢、生活習慣を起点として、一度経験すると次回からは軽微なアクションでまた発生しやすい。

治療法一度、横に寝てしまうと立ち上がれなくなるのが特徴。体重の軸受けとなっていて半関節と呼ばれる仙腸関節は筋肉が関節をまたいでいない為、その後、補強の為の筋肉トレーニングもあまり効果がない。

4-1 仙腸関節障害のセルフケア
仙腸関節障害
腰痛治療姿勢
写真のようにイスに肘をついて床に両膝を立てます。この姿勢から左右の膝に交互に体重を移す事を数回繰り返してください。

仙腸関節における固有受容器、神経系などに刺激が伝わり、立ち上がりやすくなります。それでも2~3日は骨盤部をベルト等で固定して安静にしておいたほうが良いでしょう。

5 腰椎分離・すべり症

痛みの部位
ほとんど第4、5腰椎に限局して起こる。

原因
<若年性>
10代の成長期に腰を捻り、スウィングするスポーツで発生しやすく、その時、痛みだすこともあれば、20代になってから痛み出し、実はスポーツをしていた10代の頃に起きていた事が判明することもある。
<高齢者>
変形性脊椎症や筋力低下が原因のほとんどを占めている。
筋力低下から腹圧が高められず腰椎が前方にすべってしまう。
高齢者の女性に多く見られるのも特徴の一つです。

治療法
<若年性>
分離した部分は初期では癒合する可能性がありますが、長期間経過しているタイプではそのまま残存することが多い。

治療法 急性期ではコルセット等で安静にするしかありません。その後、痛みが消失してから周囲の筋肉を強化して補強することが望ましい。

<高齢者>
すべり症から脊柱管狭窄症の症状が出現するケースが見られる。
足のしびれ、冷感、歩行障害、膀胱・直腸障害。
膀胱・直腸障害が見られなければ、保存療法で治療することが望ましい。
高齢での手術へのリスク、また、今ある痛みが本当にすべり症が原因であるのかを精査すべき。
腰痛ですべり症・脊柱管狭窄症と診断された方の半分以上は、違う場所に原因があり、
手術しても改善しない方が多いというデータが出ています。
手術をする前に一度、根本的に改善できる整体を受けたい方はこちら。

まとめ

一度は整形外科でレントゲン、MRI検査を受ける事をお勧めします。自分の現状をまず知ることが大事。その上で、治療法は様々あります。

私の30年の臨床経験からお話させていただくと、数週間経過しても歩けない等の症状でなければ保存的な治療を選択することがベストだと思います。

私達の所に治療に来る方では、腰に手術痕のある方がとても多い事に気がつきます。完治してない証拠ですね。また、昨今では脳が痛みを記憶してると言われていて、ヘルニア等を外科的に除去しても、痛みが変わらないことも多く見られます。

今ある自分の痛み、症状が必ず診断名と整合性があるかどうかしっかり精査することが大事。その為にも患者様自身がある程度の知識を身につけておくことも予防と言えるのではないでしょうか

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