
「歩くと股関節が痛い」「長く歩くと股関節がズキッとする」このような症状で悩んでいる方は少なくありません。特に中高年の方で多くみられる原因の一つが変形性股関節症です。
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ることで関節に炎症や変形が起こり、痛みや可動域制限が生じる疾患です。初期の段階では、安静時は痛みが少なく、歩行時だけ痛みを感じるケースも多く見られます。
歩行時の痛みは「まだ歩けるから大丈夫」と放置されがちですが、適切な対応を行わないと徐々に症状が進行する可能性があります。本記事では、変形性股関節で起こる歩行時痛の原因と、その改善方法について分かりやすく解説します。
歩くと股関節が痛い…変形性股関節で起こる歩行時痛とは
変形性股関節症では、日常生活の中でも特に「歩行時」に痛みを感じることが多くあります。股関節は体重を支える重要な関節であり、歩くたびに大きな負荷がかかるためです。
変形性股関節の特徴
股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ球関節で、体重を支えながら大きな可動域を持つ関節です。正常な状態では軟骨がクッションの役割を果たし、滑らかに動きます。
しかし変形性股関節症では、この軟骨が摩耗することで関節の動きがスムーズにいかなくなり、炎症や痛みが発生します。進行すると関節の変形が強くなり、可動域も制限されます。
変形性股関節症について詳しく知りたい方は、
変形性股関節症の原因と改善方法
の記事も参考にしてください。
歩行時に痛みが出る理由
歩行中、股関節には体重の約3〜5倍の負荷がかかるといわれています。そのため関節の状態が悪くなると、歩くたびに関節へ強いストレスが加わり痛みが出やすくなります。
また、股関節周囲の筋肉や関節包が硬くなることで関節の動きが悪くなり、歩行時に摩擦や圧迫が生じやすくなります。
初期症状として多い歩行時痛
変形性股関節症の初期では、安静時には痛みが少なく、
- 歩き始めに痛い
- 長時間歩くと痛くなる
- 階段で痛みが出る
といった症状が見られます。これらは関節機能の低下を示すサインでもあります。
変形性股関節で歩行時痛が起こる主な原因
歩行時痛の原因は単に関節の変形だけではありません。多くの場合、関節・筋肉・骨盤バランスの複数の要素が関係しています。
関節包の硬さによる関節可動域の低下
股関節は関節包という組織に包まれています。この関節包が硬くなると関節の滑らかな動きが妨げられます。
特に股関節前方の関節包が硬くなると、歩行時に関節の動きがスムーズにいかず、痛みが出やすくなります。
腸腰筋の緊張による股関節前面の負担
腸腰筋は股関節の前側にある筋肉で、股関節の屈曲に関わる重要な筋肉です。この筋肉が過度に緊張すると股関節の動きが制限され、歩行時に関節へ負担が集中します。
デスクワークや運動不足が続くと腸腰筋が硬くなりやすく、股関節痛の原因となることがあります。
骨盤アライメントの崩れによる歩行負担
骨盤の傾きや左右差があると、歩行時に股関節へ偏った負担がかかります。骨盤のバランスが崩れることで、股関節周囲の筋肉にも過剰な負担がかかり、痛みを引き起こす原因となります。
歩行時の股関節痛を放置するとどうなる?
歩行時の痛みをそのままにしておくと、徐々に関節の機能が低下していきます。
可動域が制限されると歩幅が小さくなり、歩行バランスも崩れやすくなります。その結果、
- 腰痛
- 膝痛
- 反対側の股関節の負担
といった二次的な問題が生じることもあります。
変形性股関節症は進行性の疾患のため、早い段階で適切な対策を行うことが重要です。
変形性股関節の歩行時痛を改善する方法
歩行時痛を改善するためには、関節だけでなく筋肉や骨盤バランスを含めた総合的なアプローチが必要です。
関節包の調整による可動域改善
股関節の可動域を改善するためには、硬くなった関節包の柔軟性を回復させることが重要です。専門的な手技によって関節の滑りを改善することで、関節の動きがスムーズになります。
腸腰筋への専門的アプローチ
腸腰筋の緊張を緩和することで股関節前面の負担を軽減することができます。深部筋であるため、専門的な評価と施術が重要になります。
骨盤アライメント改善と歩行バランス調整
骨盤のバランスを整えることで股関節への負担を均等に分散させることができます。また歩行動作の改善を行うことで、股関節にかかるストレスを減らすことが可能です。
当院の施術計画と改善までの目安
変形性股関節症の改善には一定期間の継続的な施術が必要です。当院では以下の施術計画を目安としています。
初期は週2回を目安に1ヶ月
初期段階では関節包と筋肉の柔軟性改善を中心に施術を行います。集中的な施術により関節の動きを回復させていきます。
その後週1回を2ヶ月継続
可動域が改善した後は、筋力強化と歩行バランスの改善を行います。動作改善を通して痛みの再発を防ぎます。
ダイエットプログラム併用による股関節負担軽減
股関節には体重の数倍の負荷がかかるため、体重管理も重要な要素です。当院では無理のないダイエットプログラムも併用し、関節への負担軽減を目指します。
当院が変形性股関節の患者様に選ばれる理由
変形性股関節専門対応
変形性股関節の症状に特化した評価と施術を行っています。
画像評価をもとにした施術方針
レントゲンなどの画像情報を参考にしながら、関節の状態を把握したうえで施術を行います。
再発予防プログラムによる長期サポート
症状改善だけでなく、再発を防ぐための運動指導やセルフケア指導も行っています。
まとめ
変形性股関節症による歩行時痛は、関節の変形だけでなく筋肉や骨盤バランスの問題が関係していることが多くあります。
関節包の調整、腸腰筋へのアプローチ、骨盤アライメント改善などを組み合わせることで、股関節への負担を減らすことが可能です。
歩行時に痛みがある場合は、早めに専門的な評価を受けることをおすすめします。適切な対応を行うことで、日常生活の質を維持しながら症状の進行を防ぐことができます。
股関節の動きが制限されている場合は、
改善策のご相談もお受けしています
詳しくはこちらをご参考にしてください。
参考文献
・日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン
・股関節疾患に関する運動療法研究
・歩行バイオメカニクス研究論文